絵本作家の仕事を副業で始める方法とは?安定した収入を得るためのコツも紹介!

イラストとストーリーで、子どもたちに夢や希望を与える絵本作家。特別な経験や資格を必要としないため誰にでもなれるチャンスはありますが、実際に絵本作家だけで生計を立てるのはそう簡単なことではありません。

そこで、この記事では絵本作家を副業として始める方法や収入を安定させるコツなどを紹介していきます。コツコツと活動を続けることで専業の絵本作家になれる可能性もあるので、興味のある方はぜひ挑戦してみてください。

絵本作家とは?

絵本作家とは、その名の通り絵本を描く作家のことです。もちろん、担当するのは絵だけではありません。ストーリー作りから絵の作成までをすべて自分で行います。

ただし、近年では分業制で絵本を制作するケースも多く、絵もしくはストーリーのみを担当する作家も存在します。すべて一から手がけるとなるとハードルが高いかもしれませんが、得意分野を活かして、絵本画家もしくは原作者として絵本に携わるという選択肢も考えられるでしょう。

絵本作家の主な収入源

絵本作家の収入源は主に印税です。印税は一般的に「本の定価×発行部数×印税率」という形で計算されるため、売れた本の冊数に応じて金額が大きく変わってきます。そして、収入を左右するもうひとつの要素が印税の割合です。実は、印税の割合は法律などで決められているわけではなく、実際には出版社もしくは契約内容によって異なります。

分かりやすく説明すると、例えば、本の販売価格に対して10%の印税を払う出版社があったとします。その出版社で1500円の絵本を販売した場合の1冊の印税収入は150円という計算になります。100冊売れれば1万5000円になり、1万部売れたら150万円の収入が見込めます。

ただし、10%の印税というのは大手出版社や人気の絵本作家の場合がほとんどで、通常はそれより低くなることも少なくありません。ストーリーを他の人に依頼するなど、すべての著作権を有していない場合はさらに自分に入る収入が低くなるため、絵本作家だけで生活を成り立たせるのは、なかなかハードルの高い世界といえるでしょう。

絵本作家になるメリット・デメリット

では、副業で絵本作家の仕事を始めることで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。ここで、絵本作家になるメリットとデメリットを確認しておきましょう。

絵本作家になるメリット

最大のメリットは、自分の作品を通して読み手に希望や癒しを与えられることです。子ども向けの絵本なら、知識や考え方を身につけるサポートができるかもしれません。また、楽しい絵本を描くことができれば、子どもだけでなく保護者にもファンになってもらえる可能性があります。自分の作品のファンができることでやりがいを見いだせるのも大きな魅力といえるでしょう。

そして、印税収入を得られることもメリットの1つです。作品を作り上げる作業は大変かもしれませんが、出版してしまえば絶版になるまで印税が入ってきます。何もしなくても入ってくる収入があれば、プライベートや本業にも集中しやすくなるため、まさに副業として向いている仕事といえるかもしれません。

絵本作家になるデメリット

苦労して出版しても必ず絵本が売れるとは限りません。売れたとしても、数冊程度ならかえって損をする可能性もあります。なぜなら、出版社によっては、出版時に作家も一部買取しなければならないケースもあるためです。また、売れる絵本が出せて人気作家になれた場合でも、新しい作品のアイデアが出ないこともあります。そうなれば、絵本作家を続けることが辛くなるかもしれません。

絵本作家に向いているのはこんな人

絵本作家に向いているのは、ストーリーを作ることと絵を描くことが得意な人です。特に、自分なりのキャラクターや世界観を作り上げるのがうまい人ほど、絵本作家に向いているといえるでしょう。たとえ絵がうまい人でも、オリジナルの絵が描けないとなると成功するのは難しいかもしれません。

また、絵本作家は子ども向けの作品をメインに描く人もいれば、大人向けの作品が得意な人もいます。子ども向けのコンテンツに固執する必要はないので、絵を通して何かメッセージを伝えるのが得意であれば、絵本作家に向いているでしょう。

絵本作家になるにはどうすればいいの?

従来は、出版社を通して絵本作家になるのが一般的でした。しかし、現代ではさまざまな手段があります。どのような方法があるのか、本項では絵本作家になるための方法を4つ紹介します。

・絵本専門の賞に応募する
・出版社に売り込みをかける
・SNSで発信する
・電子書籍で出版する

詳しく見ていきましょう。

絵本専門の賞に応募する

絵本のコンクールやコンテストの情報をキャッチしたら、積極的に応募してみましょう。たくさんの応募者がいるため、そう簡単には行きませんが、もし受賞できれば絵本作家としてデビューできるチャンスが一気に広がります。出版社や関係者へのアピールの場にもなるので、ぜひチャレンジしてみてください。

ちなみに、代表的な賞としては「講談社絵本新人賞」「えほん大賞」「MOE創作絵本グランプリ」などが挙げられます。

出版社に売り込みをかける

作品を直接出版社に持ち込んで売り込むことで、デビューが決まる可能性も否定できません。もちろん、売り込んだからといって必ず出版されるわけではありませんが、運良く見てもらうことができれば、作品に対してアドバイスが貰えることもあるでしょう。

SNSで発信する

まず反響を見たいなら、SNSで発信するのも1つの手です。絵本などが投稿しやすい作りになっているブログもあるので、自分に合ったSNSを選んで投稿してみましょう。注目を浴びることができれば、出版社や編集者の目にとまることも十分にあり得ます。

電子書籍で出版する

自分でデジタルデータを作れるなら、電子書籍として出版することも可能です。例えば、Amazonが提供している電子書籍サービス「Kindle」なら、Amazonアカウントさえあれば無料で登録できます。予算をかけずに出版することも不可能ではないので、手軽に始められるでしょう。

なお、Kindleの場合、印税の割合は35〜70%と高く、無名作家でお小遣い程度の収入を得ている人もいるそうです。

安定した収入を得るコツとは?

絵本作家として収入を安定させる1番のコツは、売れる絵本を描くことです。運よく大手出版社と契約できたとしても、肝心の絵本に魅力がなければ売れません。また、契約することができても、いつまでも売れない状態が続けば出版させてもらえない可能性が出てきます。

そのため、最初のうちは、どのような絵本が人気なのか、その逆であまり出されていない絵本は何かなど、売れる傾向を分析したうえでコンテンツを作ることが大切です。特に幼児向け絵本の場合は、保護者を中心とした大人が本を選ぶケースが多いため、保護者から見て子どもの教育にふさわしいコンテンツかどうかも意識して制作する必要があるでしょう。

また、出版社を通さずに作品を発表するなら、確実に収入につながる媒体を利用するのがおすすめです。例えば、電子書籍なら少ないコスト負担で出版できるうえに、ダウンロードされた回数に応じて印税が発生するため、無名でも副収入を得られる可能性があります。出版してすぐに売れるわけではないので、根気強く売り続ける必要はありますが、挑戦するメリットは大きいといえるでしょう。

絵が得意なら絵本作家での副業もアリ!

副業が可能な環境で、絵やストーリー作りが得意なら、絵本作家で副収入を得ることは夢ではありません。狭き門ではありますが、すでに未発表の作品があるなら、まずは賞に応募してみてはいかがでしょうか。

また、現代ではSNSや電子書籍で公開するという手段も存在します。絵本作家になる方法は1つとは限らないので、チャンスがあれば積極的にチャレンジしてみてください。